ニュースリリース

日本通運とNEC、DXによる価値共創に向けた業務提携契約を締結

~事業を通した社会課題解決への新たな取り組みを開始~

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 当社と日本電気株式会社(代表取締役 執行役員社長 兼 CEO:森田隆之 以下、NEC)は、6月17日(木)、DX(デジタルトランスフォーメーション)による価値共創に向けた業務提携契約を締結しました。

【業務提携の概要】

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 日本通運は、世界最大級の物流ネットワークと蓄積された高度なロジスティクスのノウハウとあらゆる輸送手段を駆使し、社会インフラの一端を担う企業として安定したサプライチェーンの維持に努めています。

 NECは、「Value Chain Innovation:企業と産業のDX」をコンセプトに、AIやIoT、ロボット制御など最先端のデジタル技術を活用し、顧客企業のDXを支援しています。

 両社は、2013年にグローバルな物流サービス事業の強化に向けた業務提携契約を締結し、日通NECロジスティクス社を運営するなど、これまでも物流の高度化・効率化に取り組んできました。

 近年、物流業界は少子化・人口減少に伴う労働力不足が深刻化しており、働き方の変化、サプライチェーンの複雑化やデジタル化など様々な課題を抱えています。また、環境面についてはCO2の排出量削減が大きな社会課題となっており、日本や世界の各国で「2050年までにカーボンニュートラルの実現」が宣言されるなど、脱炭素社会の実現を目指した取り組みの推進が企業に求められています。

 今後も更なる物流の高度化が求められる社会の要求に応えるため、両社は2020年10月から価値共創に向けた探索プロジェクトを開始し、この度新たな業務提携契約を締結しました。日本通運が有するグローバル物流ネットワークやロジスティクスのノウハウとNECが有するAI・IoTなど最先端のデジタル技術やインテグレーション力を活用し、新たな事業を通して社会課題を解決することで、持続可能な社会の実現に貢献します。

【取り組みについて】
 DXによる価値共創への取り組みとして、(1)短期的な取り組み‐IoTを活用した倉庫オペレーションの効率化・省力化・無人化、(2)中長期的な取り組み‐デジタル技術を活用した両社の新たな事業の発掘と創造を実施します。

  1. 短期的な取り組み
    短期的な取り組みとして、IoTを用いて倉庫現場の人や物の動きなどを高速かつ適切にデータ化し、AIによりタイムリーに分析することで、作業員のノウハウや暗黙知をデジタル化します。これにより、倉庫のパフォーマンスを最大化し、労働力不足の解決に寄与するとともに、作業員が安全・安心に働ける環境を実現します。
     将来的には、輸配送現場も含めた物流現場全体での事故ゼロや人員配置最適化にもつなげていきます。また産業軸では、重点領域である電機・電子から始め、半導体、自動車のサプライチェーンへの展開も検討しています。
  2. 中長期的な取り組み
     中長期的な取り組みのひとつとして、距離を超えて人が人を支える社会づくりの可能性を探索します。働き手が減少している産業、労働環境の悪い場所、危険な地域、地球の裏側など、これまで人力による作業の提供が困難であった場所で、AIや遠隔操作ロボットなどを用いて作業を提供することを想定しています。
     最初は、日本通運の倉庫作業の遠隔操作で実証を開始し、ロボット操作人材の育成や動作プログラムの構築などを通じて知見を蓄積します。世代、国境、産業の垣根を越え、社会の発展を支えます。
     また、サステナブルな社会実現に向け、物流プロセスにおけるCO2排出量の可視化と削減をテーマに掲げ、取り組みます。自社の改善に留まることなく、パートナーやお客様などサプライチェーン全体へ拡大することで、社会の環境負荷低減に向けて活動してまいります。

 日本通運は、創立100周年に向けた長期ビジョンにおいて「イノベーションによる新たな価値創造」を掲げています。今回の取り組みを通じて、物流現場におけるデジタル化の推進、高度化を行い、また新たな成長領域を創造することで、サプライチェーン全体のDX実現を目指します。さらに、グループ一体となって社会課題を解決することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 NECは、「NEC 2030VISION」において、「地球と共生して未来を守る」、「とまらない社会を築き産業と仕事のカタチを創る」ことを掲げています。今回の取り組みを通じて、「Value Chain Innovation:企業と産業のDX」のコンセプトのもとソリューション群を強化し、モノ、プロセスを産業の枠を超えてつなぎ、新たな価値を創出するデジタル革新の実現を目指すとともに、NECグループ全体のサプライチェーンの高度化にもつなげてまいります。