あらゆる企業において自然環境や社会・産業の持続性の重要度が高まっている中、NXグループは、顧客や物流業界が直面する環境配慮などの社会課題の解決に貢献するサービスを提供しています。これは、お客様のニーズに対応した新しい価値の提供でもあり、当社グループにとって、顧客数・取引量を増加させる事業の成長機会でもあります。
少子高齢化による労働力不足や、EC(電子商取引)の拡大に伴う物流需要の増加により、物流業界では生産性向上と人財確保が喫緊の課題となっており、お客様からも多様な人財の活躍による物流の持続性向上についてのご相談が多々あります。
日本通運株式会社では、先進的なロジスティクスロボットや作業補助機器の導入と職場環境の整備を通じて、これまで倉庫で働くことが困難だった人々の障壁を取り除くことを目指す「誰にもやさしい倉庫」プロジェクトを推進しています。この取組みでは、電動車いす、追従ロボット、AMR(自律走行搬送ロボット)を活用し、最先端の物流施設の構築を目指しています。このプロジェクトは、DXを活用した生産性の向上や人財確保だけでなく、多様な人財が働ける環境を創ることで物流の現場をアップデートし、お客様のビジネスの成長とともに、サステナブルな物流と社会の実現に資する事例となっています。
従来、建設業界では、建設現場から排出される建材端材は多種多様で混合廃棄物になりやすく、分別やリサイクルが困難であり、また再資源化施設への個別運搬による運搬コスト・CO2排出の課題がありました。
これまで埋立て処分をしていた建材端材の一部を、広域認定制度※を活用して建材原料としての再資源化を推進するため、大成建設株式会社と日本通運株式会社は、複数現場を同一車両で巡回回収し品目ごとの再資源化施設にまとめて二次輸送できる「巡回回収システム」を開発しました。
回収時に「NRBOX」という観音開きタイプのかご台車を使用することで、建設現場での管理・回収を容易にするとともに、異なる品目の建材端材を一つの車両にまとめて運搬することでの積載率向上を実現しました。この協業により、再資源化量の拡大と荷量確保による安定運用体制を確立し建設業全体への普及を進めています。
今後は、回収エリアの拡大、対応品目や建材メーカーの追加、モーダルシフトによる遠距離運搬など、さらなるシステムの充実を図り、建設業界と物流業界における環境負荷低減、省資源・循環型社会の構築に取り組んでいきます。
※広域認定制度:建材メーカー等が環境大臣の認定を受けて自社製品が廃棄物となったもの(製品端材等)を広域的に回収し、製品原料等にリサイクルまたは適正処理する制度
本マテリアリティに対するその他の取組みについてはサステナビリティレポート[PDF 7,707KB]およびサステナビリティハンドブック[PDF 10,033KB]をご確認ください。