あらゆる企業においてその事業が立脚する自然環境や社会・産業の持続性が重視される中、従来取り組んできた個々のお客様へのサービス品質の維持・向上だけでなく、社会・産業全体の維持・最適化を図るサービスを提供することが重要となっています。
NXグループは、高い輸送技術やあらゆる産業・産業内の多くのお客様とのつながり、産業特性への理解といった強みを生かすことで、産業課題を解決する新たな価値の創出を目指します。
医薬品は、輸送や保管の際に、厳密な温度管理やセキュリティ管理が求められる一方、市場のグローバル化に伴い、医薬品の偽造や盗難も大きな問題になっています。当社グループでは、信頼性と安全性の高いグローバルな医薬品物流プラットフォームを構築することで世界の医薬品業界のお客様を物流面からサポートし、『世界の人々の健康に貢献する』ことを目指しています。そのため、世界各国でGDP(医薬品の適正流通基準)およびIATA(国際航空運送協会)のCEIV Pharmaの認証取得を進めています。
2022年度は国内3拠点(東日本医薬品センター、西日本医薬品センターおよび九州医薬品センター)で、業界初となる2温度帯管理(室温:15~25℃、保冷:2~8℃)による医薬品の保管および輸送を対象としたGDP認証を取得しました。加えて、西日本医薬品センターでは医薬品製造に関わるGMP(医薬品の製造管理および品質管理の基準)への適合が確認されました。
また、グローバルで統一・標準化された品質マネジメントシステムの構築を図るために、「NX-Pharmaグローバル品質マニュアル」を制定するとともに、医薬品サプライネットワークにおける品質保証を目的とした独立の本部組織として「医薬品物流グローバル品質保証室」をHDのGBHQに新設しました。
医薬品取り扱いに係る認証取得(2023年3月時点)
■ GDP, CEIV Pharma 認証の取得
24か国・地域、世界34拠点
NX-Pharma グローバル品質マニュアル(日・英)
当社グループは、日本・日系自動車メーカーを中心にアジアから世界各地の生産拠点に向けて、海上・航空フォワーディングによる部材供給、「門前倉庫」から工場ラインへのJIT納入までを一貫で取り扱いお客様のサプライチェーンを構築しています。
当社グループは、自動車業界の二大市場である米国と中国をはじめ各地において「門前倉庫」のオペレーションを提供しておりますが、特に米国における生産物流に注力しています。米国においては、従来は中西部が自動車の生産拠点の中心でしたが、南東部あるいはメキシコにも生産拠点が拡張され、日系メーカーもすでに増産体制を拡張しています。南東部あるいはメキシコにて倉庫の新規稼働や拡張を行い日系セットメーカーとそのサプライヤーにて取り扱い拡大を図っています。
業界のEV化に伴うサプライチェーンの変化に対しては、EV化を牽引する欧州市場において、電動モーターやリチウムイオンバッテリーの生産拠点となっている中東欧地域にて物流ネットワークを拡充しています。
感染症の発生やCASEなど環境が激変する中、各自動車メーカーはサプライチェーン改革に着手し、調達先の分散や地産地消なども視野に検討を進めています。当社はリード・ロジスティクス・プロバイダー(LLP)の立場に立ち、物流サービスの提供にとどまらずSCMの企画・設計・工程管理などの業務にも取り組んでいます。
本マテリアリティに対するその他の取り組みについては サステナビリティデータブック[PDF 8,673KB]をご確認ください。