MATERIARITY
持続可能でレジリエントな物流インフラの構築

NXグループが本マテリアリティに取り組む理由

自然災害・感染症・サイバーテロなどさまざまなリスクが高まる中で、突発的な非常事態においても、物流企業は重要業務を継続、または早期復旧できるよう、あらかじめ行動計画や準備計画を立て、必要な対策を講じることが社会から求められています。
NXグループは、人々の日常生活の基礎となる社会基盤を支える業種として、非常事態におけるサプライチェーンの強靭性を維持するとともに、中長期的な視点から、安定的な労働力の確保・維持に向けた取り組みを進め、物流の維持を目指します。

マテリアリティで目指す姿・取り組みの全体像(価値構造化ツリー)

本マテリアリティの取り組み状況

サイバーセキュリティの強化

当社グループでは、昨年度策定した「サイバーセキュリティ中期計画(2022~2023年)」の下、サイバーセキュリティの強化に取り組んでいます。
2023年度は、メール環境におけるサイバーセキュリティリスクへの「検知」「対応」能力を強化するため、メールフィルタリング設定の見直しを図るとともに、新たに従業員自ら不審なメールを通報し早期のリスク発見や防御、初動対応ができる様にする仕組みの導入を予定しています。

物流事業の効率化

NXグループは、倉庫業務とオフィス業務の両面からオペレーションの改善や自動化を推進することで、物流事業の効率化に取り組んでいます。
倉庫業務では、主要な倉庫拠点435拠点におけるオペレーションの生産性向上に取り組み、全拠点にて当社グループ共通の目標レベルを達成しています。また、日本通運株式会社においては作業実績計測サービス「ろじたん」を使用したデータ分析や、TOC (制約理論) を活用した現場作業効率化に取り組むと同時に、ロジスティクス人財育成を目的としたeラーニングや、業務効率化を主体的に推進する中核人財育成プログラムである「Logistics boot camp」を実施しています。
オフィス業務では、RPAツールの展開による現場固有の業務処理の自動化を進めており、スキル習得のための研修や、汎用性のある自動化事例の水平展開に取り組み、業務効率化を進めています。

Topics

中国経由中央アジア向け複合輸送サービスにてサプライチェーンを維持

2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、ロシアを経由する輸送サービスをリスク面から敬遠する動きが高まっています。2022年4月には、カザフスタンを経由し欧州各地へ輸送する「カスピ海ルート」を開発し、中国ー欧州間のBCP用輸送モードとして提供を開始しました。ロシアを経由する輸送サービスの敬遠は、内陸国であるカザフスタン・キルギス共和国など中央アジア諸国への輸送にも影響を与えており、日本を含む海外から海上輸送で中国を経由し、鉄道・トレーラーによる中央アジア諸国への輸送ニーズが高まっています。NX国際物流(中国)有限公司は、カザフスタンに設置された駐在事務所を生かしながら、中央アジアの代理店や政府機関とも緊密な関係を持ち、安定したサービスの提供を可能にしています。鉄道 · 海運 · 陸運輸送を駆使した複合輸送サービスである本取り組みは、当社グループが強みとしている多様な輸送モードを生かして社会要請を事業につなげた事例であり、引き続き、多様な輸送モードや世界的なネットワークを生かし、即座に代替的な輸送手段の提供を実現することで、より強靭なサプライチェーンを構築していきます。

カザフスタンを経由するる BCP「カスピ海ルート」

カザフスタン向け輸送で 用いるトレーラー

本マテリアリティに対するその他の取り組みについては サステナビリティデータブック[PDF 8,673KB]をご確認ください。