NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社(社長:堀切智)のグループ会社、日本通運株式会社(社長:竹添進二郎)は、2024年度の鉄道コンテナ取り扱い実績を取りまとめました。
実 績 | 前 同 | 対前同 | |
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鉄道コンテナ取扱個数 | 1,356,973個 | 1,383,644個 | ▲1.9% |
◇概 況
2024年度の通運事業は、「物流の2024年問題」や「脱炭素に向けた動き」などの追い風を受け、鉄道へのモーダルシフトが加速しました。しかし、物価上昇の継続による個人消費の低迷、中国経済の低迷、自然災害による列車運休、JR貨物の輪軸組立不正問題などの影響を受け、鉄道コンテナ取扱個数は前年を下回る結果となりました。品目別では、モーダルシフトが進んだ「清涼飲料水・ビール」が大きく増加しましたが、「自動車部品」「化学工業品・化学薬品」を中心に前年を下回りました。
特に、激甚化・頻発化する自然災害による列車運休は、お客様の安定したサプライチェーン維持に大きな影響を与えています。鉄道貨物輸送におけるBCP対策の推進をJR貨物と共同で取り組むとともに、官民一体のBCP会議を通じて関係者連携を深めています。当社独自の取り組みとしても、「Sea & Railサービスによる輸送ルートの複線化」「大手物流事業会社との協業推進」「重要幹線における当社独自バックアップ輸送体制構築」「気象予測データの活用」などを推進し、鉄道貨物輸送を安心してご利用いただける環境整備に注力しています。
BCP対策と並行して、「カスタマーイン・マーケットイン志向」の商品開発を進めています。2022年3月から運行開始したブロックスペーストレイン(NXトレイン)は、お客様のモーダルシフトを推進すると同時に、環境負荷低減に貢献するサービスを提供してきました。さらに、2024年4月からは東京⇔大阪間で第2のNXトレインを運行開始し、2024年度のNXトレイン2列車の積載率は約90%となりました。今後も新たなNXトレインの運行開始に向けて、JR貨物と調整を進めていきます。
また、「物流革新緊急パッケージ」に呼応した31ftコンテナ増備によるモーダルシフトの推進、「小口輸送サービス」や「国際海上コンテナ」、「プロテクトBOX」と鉄道輸送を組み合わせた新商品開発にも力を入れています。今後も物流の効率化と環境負荷の低減を進めるとともに、様々なサービスと鉄道輸送を組み合わせた新商品を開発してまいります。
また、鉄道輸送における安全確保に関して、NXグループ安全理念「安全はすべてに優先する」を徹底し、「コンテナ内の貨物の偏積撲滅に向けた対策の徹底」や「当社所有コンテナの管理強化」「貨物駅構内における事故災害防止」などに向けて、JR貨物や関係団体とも強く連携しながら取り組みを進めるとともに、社内教育や関係会議を定期的に実施し、発生防止に努めてまいります。
2025年度も、「物流の2024年問題」や脱炭素の課題解決に向けて、「売上の拡大」「事業利益の拡大」「安全・品質・コンプライアンスの遵守」を主軸として、各施策を強く推進し、通運事業のさらなる強靭化に向けて取り組んでまいります。