ニュースリリース

日本通運、JR貨物と「山陽線不通時のトラックによるバックアップ輸送スキーム」を構築

~BCP対策として災害時の安定した物流サービスを提供~

 NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社(社長:齋藤充)のグループ会社、日本通運株式会社(社長:堀切智 以下、日本通運)は、日本貨物鉄道株式会社(社長:犬飼新 以下、JR貨物)と協力し、豪雨災害が頻発している山陽線区間のバックアップ輸送体制として、広島県大竹市に中継拠点(日本通運広島支店大竹営業課 以下、NX大竹)を設定し、岡山貨物ターミナル駅から北九州エリアの各駅を、トラックで代替輸送する新たなスキームを構築しました。

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(スキーム概念図)

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(NX大竹での作業の様子)

【背景】
 「物流の2024年問題」や「2050年カーボンニュートラル実現」などの社会的課題の解決のため、10トントラック65台分の貨物を一度に輸送でき、地球環境に優しい鉄道輸送が注目されています。
 一方で、近年では地球温暖化による気候変動の影響で台風や線状降水帯による豪雨や大雪などの自然災害が増加し、鉄道輸送ネットワークが寸断されるなど、お客様のサプライチェーンが維持できないケースが発生しています。そのため、輸送障害発生時の迅速なバックアップ輸送を求める声が高まっています。
 特に中国地方では、2018年の西日本豪雨や2021年の秋雨前線停滞による大雨災害、本年7月に発生した豪雨災害など、人々の生命・暮らしに甚大な被害をもたらす大規模な災害が頻発し、鉄道輸送においても、本州と九州を結ぶ山陽線が長期間にわたり遮断されたことから、その対策が急がれています。

【特徴】
■ 広島県大竹市に中継拠点を設置することで、岡山県と北九州エリア間の山陽線・鹿児島線をカバーし、災害による鉄道不通が発生しても、速やかなバックアップ輸送が可能となります。
■ 岡山貨物ターミナル駅と北九州エリアの3駅(福岡・鳥栖・北九州の各貨物ターミナル駅)から出発したコンテナ専用トラックが、NX大竹でそれぞれのコンテナを載せ替え、輸送します。
■ トラックの日帰り輸送が可能となり「物流の2024年問題」に対応します。
■ ドライバーの宿泊手配やトラックの駐車スペースの確保などが不要なため、バックアップ輸送の初動を迅速化できます。

【輸送実績】
■ 本年7月の豪雨災害時における山陽線の不通(7月8日から20日までの期間、厚狭駅から小野田駅間)において、初めて当バックアップ輸送スキームを用い、7月12日から21日までの間に鉄道コンテナ74個を輸送しました。

【今後の展開】
■ 岡山県から北九州エリアの区間に続いて、関東から関西の区間においても、中継拠点を設定したバックアップ輸送スキームの構築を計画しています。
■ 日本通運とJR貨物は、地球環境の保護と持続可能な物流の推進を共通理念として、鉄道輸送におけるバックアップ体制を強化し、お客様のサプライチェーンの維持と安定に貢献いたします。

NXグループは、本輸送スキームの構築により、代替の輸送ルートや輸送モードの活用と組み合わせによるBCP対応ソリューションを提供し、お客様の事業継続を支えてまいります。