ニュースリリース

日通、倉庫向け協働型ピッキングソリューションの本稼働を開始

~Rapyuta Robotics社のAMRを倉庫内業務で使用開始~

 当社は、2020年7月、東京都内にある当社品川支店の物流センターでRapyuta Robotics株式会社(代表取締役CEO:Gajan Mohanarajah、以下「Rapyuta Robotics」)と物流自動化ロボットサービス(RaaS:Robotics as a Service)を提供するプラスオートメーション株式会社(本社所在地: 東京都港区、代表取締役社長: 飯間 卓)とで実証実験を進めてきた、自律協働型ピッキングロボット(以下AMR)の稼働を開始しました。

【経緯】
 当社は、既存の倉庫でもレイアウト変更やマテハンの更新を必要とせず導入可能な自律協働型ピッキングロボットの導入に向け、2018年10月からRapyuta Roboticsと共同で開発を進めてきました。2019年6月からは、ダイキン工業様のご協力のもと、同社の製品保守サービスのパーツセンター業務を行っている物流センターにおいて実証実験を開始。2020年6月に10台のAMRを配置し、さらなる実証実験や機能開発を進めてきた結果、8月から本格的に稼働することとなりました。

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(導入したロボット)

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(複数稼働するロボット)

【概要】
 当社は、AMRを導入する際の課題の解決と、より現状に近いピッキング作業を実現するための仕組みの構築に向け、AMRの性能向上、ピッキング業務における必要な機能の追加など、物流に関するノウハウをRapyuta Roboticsと共有し、順次実験を繰り返しながら準備を進めてきたことで、導入目的であるピッキング作業の効率化・生産性向上、作業者の負荷軽減を図るなどの効果が得られることが確認されました。
 また、改良を重ねたことで簡易な操作性・見やすい画面表示となり、作業の可視化も実装されたことから、誰でも簡単に作業を行える環境が整備され、作業者への業務教育の時間短縮など、間接的な効果も図られます。

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(AMR稼働状況マップ)

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(作業進捗画面)

【AMRの主な改善内容】

AMR本体の変更点 Ver2(今回導入のAMR) Ver1(2019年実証実験時のAMR)
サイズ W600×L600×H1,350 W488×L564×H1,236
可搬重量 45㎏ 30㎏
平均走行速度 0.8m/s ※最大1.4m/sまで可能 0.4m/s
1充電稼働可能時間 8時間 2.5時間
最小通路幅 900㎜ 900㎜
ナビゲーション・障害物検知 LIDAR+3Dカメラ LIDAR

【追加した主な機能】

新機能、機能変更内容 機能 内容/目的
ハードウエアの追加 緊急停止ボタンの追加 1個から2個へ追加(上×1 下×1)
スピーカー 走行、ピッキング時に音声の発出
走行LEDランプ AMRの停止時、右左折時等の点滅表示
ソフトウェア機能向上 AMR稼働状況マップ AMRの稼働位置やエラー内容の表示
倉庫管理システムとの情報連携 サイズ超過などオーダー拒否理由を自動配信
ピッキング画面遷移スピードの向上 ・画面タッチ後、次画面表示までの時間を短縮
・AMRピッキング画面の視認性向上
作業者への次作業ガイド機能 ピッキング待機中AMRの探索が容易

【今後の展開】
 今回の実証実験から本稼働を経て、人とロボットが安全で効率よく協働して作業できることや、ロボットの利用によって物流業務に一定の効果をもたらすことがわかりました。
 今後は、日々の運用の中でPDCAサイクルを回し、AMRの能力を最大限に活用できる運用を構築するとともに、2020年度中には当社の他拠点への導入を目指します。

 当社では、物流の分野での新しい技術に対応したサービスの構築に取り組んでいます。労働力不足への対応に向け、今後ますます社会に大きな変革をもたらすと考えられる最先端技術を積極的に取り込み、省人化・自働化を図りながら新たな物流システムを創出し、物流から価値を創っていきます。