ニュースリリース

日通総研、「SIPスマート物流サービス」の調査研究業務を受託

 当社のグループ会社である株式会社日通総合研究所(社長:青山陽一)は、第2期の内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)における「スマート物流サービス」の公募において、医薬品医療機器分野のスマート物流サービス実現に向けたプロトタイプのデータ基盤の構築と概念検証の研究テーマに応募し、採択されました。

【開発の背景】
 医療機器物流は、誤出荷や遅延の発生が生命の危険にも繋がることから、非常に高い精度の個品管理(トレーサビリティ等)が求められています。特に整形外科(人工関節等)や循環器(カテーテル等)の医療領域では、治療や手術に必要な多種大量の医療機器の手配や機器の滅菌期限等の管理、機器の使用実績等の正確な把握が求められるだけでなく、短期貸出や長期貸出等、医療ニーズにそった非常に複雑な物流(多品種少量、多頻度、緊急対応等)に対応する必要があります。また、物流業界の課題となっているドライバー不足や働き方改革へ対応するためには、物流・商流データをプロトタイプのデータ基盤において共有し、活用することなどによって構築された、高い精度と生産性を有する効率的な物流サービスの提供が強く求められています。

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(対象製品のイメージ)

【研究概要】
 今回の研究は、医療機器業界内で以前から利用が進んでいる「GS1コード」の活用と、既に一部のメーカーで先進的に採用されている自動認識タグ等を使って、医療機器メーカーからディーラー、ディーラーから病院、さらには病院内での物流を、データ等を活用して一元で管理していくためのデータ基盤の構築を目指します。また、このデータ基盤を活用し、トレーサビリティを確保することで各流通段階における在庫の削減等サプライチェーン全体の効率化や生産性向上を進めるとともに、物流拠点の集約化や共同化、さらには共同配送の実現など効率的な物流システムの構築や運用に関して実証するものです。

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(研究のスキーム-イメージ図)

 なお、本研究は流通経済大学ならびに東京医療保健大学、国立国際医療研究センターの支援と協力のもとに研究を進めてまいります。また、本研究開発に対する当該業界の関心は非常に高く、実証実験には(一社)日本医療機器テクノロジー協会、(一社)日本医療機器販売業協会、(一社)流通システム開発センター、(一社)米国医療機器・IDV工業会などにもご参加・ご協力いただく予定です。
 輸配送等の実証実験にあたっては、当社も協力していく予定です。

【サプライチェーン全体の生産性・効率性の向上に取組む内閣府プログラム「SIPスマート物流サービス」を取りまとめる田中従雅PD(プログラムディレクター)からのメッセージ】
 Eコマースの拡大やドライバー不足等から「物流クライシス」が叫ばれている今、製造・物流・販売等の事業者が連携して「物流商流データ基盤」を構築し、モノの動きや商品情報を総合的に扱うことによって、サプライチェーン全体の生産性、効率性を向上することが期待されています。「SIPスマート物流サービス」では、この期待に応えるべく取組んでおり、今回、その一翼を担って頂くため、本プロジェクトを選定致しました。