ニュースリリース

日通総研「2007年度の経済と貨物輸送の見通し」を発表

2007年7月3日

~ 2007年度の国内貨物輸送量は0.6%減、8年連続のマイナスに ~

 株式会社日通総合研究所(社長:林勝利)は、「2007年度の経済と貨物輸送の見通し」を発表しました。

 
◇経済
米国経済は、製造業の在庫調整一巡とそれに伴う設備投資の持ち直し、住宅市場の調整が峠を越す2007年後半には、巡航速度の3%台の成長に向けて加速していく。欧州経済は、東欧・ロシアや中国向け輸出の順調な拡大を背景に、ドイツを中心に底堅い伸びを続ける。アジア経済は、内需の拡大基調の持続に加え、年後半には米国経済の加速やIT関連需要の持ち直しを背景に、中国経済を中心に前年並みの成長が見込まれる。
2007年度の日本経済は、企業業績の拡大基調の鈍化は避けられないものの、好調を維持する企業部門が緩やかながらも家計部門の雇用環境・所得環境の改善を促し、個人消費が景気を下支えする民需主導の回復で2.2%の成長が見込まれる。
◇国内貨物輸送
 
2007年度の総輸送量は、0.6%減とマイナス幅は縮小するものの8年連続の減少の見通し。消費関連貨物は、食料工業品を中心に1%程度の増加に。生産関連貨物は、鉄鋼、一般機械などには堅調な伸びが見込まれる一方で、石油製品の需要減などから1%に満たない伸びにとどまる。建設関連貨物は、公共投資の低迷からマイナスが続く。
◇国際貨物輸送
 
2007年度の外貿コンテナ貨物(主要9港)の輸出は、上期は増勢がやや緩やかになるものの、下期には米国経済が盛り返すとともに在庫調整の影響が一巡することから、4.9%増に。輸入は、低迷を続けていた生鮮貨物が回復基調にあり、また消費財にも底堅い動きが見込まれることから、4.4%増となろう。
2007年度の国際航空の輸出は、IT・デジタル製品の在庫調整の影響の一巡と、米国経済の持ち直しに伴う自動車部品の増加により0.2%増と予測。輸入は、生鮮貨物に回復の兆しがみられるもののプラス成長は期待できず、機械機器類などドライ貨物の回復も年度後半となることから、0.7%減とプラスに転じるまでの力強さはない。

以上