ニュースリリース

荷動き低迷、総輸送量は4年連続のマイナスに

2003年07月03日

―――2003年度 経済と貨物輸送の見通し―――

 当社のシンクタンク子会社である株式会社日通総合研究所(井手高吉社長)は、2003年度の経済と貨物輸送の見通しを発表しました。

□ 経 済
   2003年の世界経済は、主要各国のデフレ警戒感が高まりを見せるなか、年前半は減速基調を強める。ただし、年後半以降、減税の押し上げ効果も手伝って復調に向かう米国経済にリードされる形で、再び拡大テンポが上向いていくものと見られる。
 2003年度の日本経済は、デフレ進行に歯止めがかからず、経済成長率は0.4%と低迷する。ただし、年度後半における世界経済の回復に伴う輸出増に支えられて、緩やかながらも持ち直しに向かい、景気の底割れは回避されよう。
 
□ 国内貨物輸送
   2003年度の国内貨物輸送は、公共投資や住宅投資が引き続き落ち込むとみられることから、建設関連貨物の不振が輸送量を大きく下押ししそうである。一方、消費関連貨物は、個人消費の伸びの鈍化を受けて、大幅な増加は期待できないものの、1%台半ばの伸びが期待できる。総輸送量としては2.6%減と4年連続のマイナスが避けられそうにない。
 
□ 国際貨物輸送
   2003年度の国際貨物輸送は、主要8港の外貿コンテナの輸出では2.2%、輸入は1.1%の増加となり、航空貨物の輸出では5.5%、輸入は1.4%の増加となる。総じて輸出貨物は堅調な荷動き、輸入貨物の回復テンポは緩やかとなる。
   
参考
「2003年度 経済と貨物輸送の見通し」資料
 
○ 経 済
2002年度 2003年度 ( )は対前年度比増減率
・実質国内総支出 540,608 (1.5) 542,770 (0.4) 単位:10億円
・実質民間最終消費支出 298,936 (1.4) 299,537 (0.2) 単位:10億円
・実質民間設備投資 85,756 (-0.7) 86,987 (1.4) 単位:10億円
・消費者物価指数 98.3 (-0.6) 97.6 (-0.7) 2000年=100
・鉱工業生産指数 94.7 (3.4) 95.1 (0.4) 2000年=100
 
○ 国内貨物
2002年度 2003年度 ( )は対前年度比増減率
・国内貨物輸送量 5,895.0 (-4.3) 5,744.6 (-2.6) 単位:100万トン
・鉄 道 56.8 (-3.1) 54.6 (-3.9)
  JR 38.1 (-2.3) 36.9 (-3.3)
  その他 18.7 (-4.8) 17.7 (-5.2)
・自動車 5,337.4 (-4.3) 5,194.9 (-2.7)  
  営業用 2,830.6 (-2.3) 2,814.2 (-0.6)
  自家用 2,506.8 (-6.5) 2,380.7 (-5.0)
・内航海運 499.9 (-3.9) 494.3 (-1.1)
・国内航空 0.831 (-0.6) 0.835 (0.5)  
       
○ 国際貨物      
2002年度 2003年度 ( )は対前年度比増減率
・外貿コンテナ 170,180.5 (4.6) 172,877.5 (1.6) 単位:1,000トン
  輸 出 73,080.9 (6.5) 74,633.7 (2.2)
  輸 入 97,099.5 (3.2) 98,213.9 (1.1)
・国際航空 2,304.8 (8.9) 2,379.5 (3.2)
  輸 出 1,040.5 (21.2) 1,097.3 (5.5)
  輸 入 1,264.3 (0.5) 1,282.2 (1.4)
○ 国内貨物輸送量と伸長率
単位:100万トン、%

年度 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003

国内貨物輸送量 6,643 6,799 6,677 6,398 6,445 6,371 6,158 5,895 5,745
同対前年伸長率 2.2 2.3 -1.8 -4.2 0.7 -1.2 -3.3 -4.3 -2.6

注)2001年度までは実績値
 

以上