NXグループ×フィナンシャル・タイムズ
2023年版 Vol.1

このコンテンツは、2023年にNIPPON EXPRESSホールディングスがFinancial Timesの広告部門と協力して制作した記事広告の和訳です。

半導体サプライチェーンの美学

唯一無二の美術品と半導体関連製品は、一見無関係のようだが、どちらも高度なロジスティクス・ソリューションを必要とする点が共通している。両分野について知見を有する企業は数少ない。アジア最大級のグローバル・ロジスティクス・プロバイダーであるNXグループは、その中でも際立つ存在だ。

工芸品や美術品の輸送を得意とする同社は、ツタンカーメンのマスクやミロのビーナスといった象徴的な芸術作品の輸送を手掛けた実績を持つ。

日本を拠点とする同社は、日本の半導体業界におけるフォワーディング、倉庫保管、ロジスティクス・ソリューションのリーディングプロバイダーでもある。さらに、日本のみならず世界のチップメーカーからの依頼を受け、その輸送能力と対応力を拡大し続けている。例えば、過去2年間において、NXグループは、世界各地に新たに誕生した半導体製造工場のためのサービスに特化した倉庫を8箇所新設している。日本、米国、アイルランド、台湾のトップ半導体メーカーが顧客となる。

また、ドイツで建設中の半導体工場に対応する施設整備を計画するなど、さらなるプロジェクトが進行中である。

2022年、NXグループの半導体物流売上高は774億円に達し、電気・電子、自動車、アパレル、医薬・医療を含む5つの重点領域の中で最も高い伸びを示した。

半導体物流のノウハウを活かして

NIPPON EXPRESSホールディングスの大辻智執行役員は、1300年前に作られた脱活乾漆造の仏像を特注の和紙梱包で運んだときのことを振り返り、こう語る。

「定量化するのは難しいのですが、このような国宝の輸送に対する感性や考え方をもっていることが、我々の半導体物流の強みではないでしょうか。」美術品と半導体、両方の輸送に共通する、精密な作業と特殊な梱包技術の重要性を強調している。

半導体は何兆個という単位で製造される。しかし、この極小チップとそれを製造する装置の取り扱いには、世界に一つしかない美術品と同等に細心の注意と配慮が要求される。半導体ウエハは、温度、湿度、衝撃、振動、静電気、ホコリに非常に敏感だ。その製造工場には、数トンの重さがあり、傾きや温度などのわずかな変化にも敏感で、一台数百万ドルもする装置が必要となる。こうした機械やその部品をクリーンルームに搬入したり、極小チップを選別したりするには、外科手術並みの清浄度と精度が要求されるのだ。

NXグループは長年にわたり、半導体製造装置やシリコンウエハ、フォトレジスト、各種化学薬品などの原材料を扱う日本の大手企業との協業を通じて、広範な専門知識を蓄積してきた。そして今、NXグループはこの豊富なノウハウをグローバルな事業展開に活かしている。

NIPPON EXPRESSホールディングス グローバル事業本部営業戦略部のヤスパー・ファン・オーデンホーフェン部長は、「半導体物流に特化したスタッフを増員し、各地域に既に存在する知識を強化するために彼らをエキスパートとして派遣しています」と語る。

「私たちは紋切り型な対応をする会社ではありません。クライアントと密接に協力しながらカスタマイズしていくことを重視しています」と彼は言う。「具体的なビジネスチャンスが生まれる前から人材を投入することもあります。半導体ユーザーの厳しいニーズに応えるのには、まさに適切なアプローチだと思います」。

サプライチェーンの強靭性を高める

半導体製品の輸送には複雑な過程があり、さらに近年のサプライチェーンの混乱で業界の物流ネットワークの脆弱性が露呈した。パンデミック、需要の急増、そして地政学的ショックは、世界的なチップ不足を引き起こした。状況は徐々に改善されつつあるが、産業のあらゆる面でますます不可欠になっているチップの調達と流通の強靭性を高めるために物流業界は努力している。

「今日の半導体産業界の喫緊の課題は、柔軟性とコストのバランスです。我々も含め、物流会社はその両方の最適化に取り組んでいます」と大辻氏は言う。

昨今の半導体製造のリショアリングの急増は、生産、調達、販売にまたがるロジスティクス・サービスの新たなエコシステムの確立を必要としている。熊本(日本)やアリゾナ(米国)のような多くの新しく建設されている半導体工場やクラスターは、主要なゲートウェイ空港から遠く離れた場所に位置していると、大辻氏は説明する。そのため、これら新たな生産拠点と世界をつなぐ柔軟な輸送手段の必要性を強調する。

そのために、NXグループは、トップクラスの半導体工場に隣接した倉庫、国際空港に隣接した物流センター、エアサスペンショントラックのような特殊車両といったハード面を含む資産を保有している。さらに、グローバル在庫管理・追跡システムなどのソフトウェア・ツールも活用している。また、NXグループは人材への投資も続けており、半導体関連の営業や輸送の訓練を受けたスタッフを増やしている。これらの資産は、半導体業界における同社の今後の事業展開に大きな意味を持つ。

大辻氏は今後の戦略をこう解説する。「フォワーディングやコントラクト・ロジスティクス全般に重点を移しています。また、グローバル営業チームを強化し、各地域の半導体担当者を配置しました。彼らは今、私たちの専門知識を広めています。こうした種まきが、数カ月後の売上高に反映されることを期待しています」。

同氏は、これらの資産を活用し、グローバル・サプライチェーン全体の動態を可視化できる最先端のデジタル・ソリューションを通して、世界のチップメーカーに一気通貫のサービスを提供することを構想している。

「最近はNXグループの規模と能力、そして世界の半導体トップ20社のほとんどと取引しているという事実に、好感をもちながら驚かれる顧客が多いです」とヴァン・オーデンホーフェン氏は言う。「ひとたび彼らが私たちと取引を始めると、依頼される領域やビジネス量が増えていく傾向にあります。このように、NXグループとともに成長したいと考えてくださるお客様の存在が、私たちにとって最良の推薦状だと思っています」。